建物調査診断業務

建物調査診断業務の目的

 建物がどの程度劣化をしているのかをを確認することが目的となります。調査診断の劣化症状の把握により、初めてどの工事を行ったらよいのか、どの程度の数量があるかを算出(概算の場合も含む)し、工事の概算金額が把握できるため、建物調査診断は、大規模修繕工事の前には必ず行うことになります。弊社で行う建物調査診断の方法を下記に3通りご説明します。

 

簡易調査診断


築10年を経過した段階で2~3年後に大規模修繕工事を行うための予備調査となります。写真等交えて説明を行うとともに、大規模修繕工事の目的、進め方の簡単な説明を行います。

 

 

 <業務内容>

廊下、屋上等共用部の打診、目視調査。

  • コンクリート中性化試験、塗膜の引張試験、タイルの引張試験までを行います。
  • 大規模修繕工事実施に向けた総会承認の目安となる報告を行います。

 

部分外壁打診調査


劣化数量や工事範囲箇所の確認のため手の届く範囲で行う調査となります。大規模修繕工事実施の総会承認後、設計監理業務の一環として行われるケースが考えられます。 

 

 

<業務内容>

廊下・階段・屋上・外構などの共用部調査に加え、アンケート結果にて2~3割程度のバルコニーに立ち入り調査を行い、調査結果より建物総面積の劣化数量を按分して実際の劣化数量を推測します。

調査診断劣化数量と実質劣化数量との差が出やすいのですが費用の関係上、一番多く選択されております。

 

 

全面外壁打診調査


部分打診調査と違い外壁の全面の調査をゴンドラやブランコを使っての調査となります。

大規模修繕工事実施の総会承認後、設計監理業務の一環として行われるケースが考えられます。  

 

業務内容>

・全面的に調査を行うため、正確な劣化数量が把握できる反面、部分打診調査よりも高額となり、下記条件の場合に選択されるケースが多くなります。

  • 外壁タイルの浮き、外壁の爆裂現象が多い物件で劣化数量の把握が困難な物件 
  • 地震等の被害にあった物件 
  

※劣化数量は物件によって異なります。タイルの浮きに関しては、私の経験した10年から13年のマンションの事例としてタイル貼り付け面積の中で最小0.05%のタイルの浮きと少ない場合もありますが、最大で48%のタイルの浮きが確認されたケースもあります。タイルの補修だけでも浮きの数量が多い場合で1千万円の工事費用を超えるケースもあり、しっかりした調査を行わなければ、工事途中で予算不足に陥る危険性があり、注意が必要です。